「FLAP~みなかみローカルベンチャーチャレンジプログラム」の第一回(休日クラス)が開催されました!
前回の説明会に続き、本日のプログラムは、午前はプロジェクト説明&ワークショップ、午後はカヌー・SUP体験、夜は地域住民を交えた懇親会と、盛り沢山な内容となりました。
私自身もプログラムの一参加者として体験してきましたので、その様子をお届けします!
山に近い暮らしを実現するための、ローカルでのチャレンジの第一歩!
会場は、説明会でも訪れた「テレワークセンター MINAKAMI(みなかみ)」。
廃園となった幼稚園をリノベーションして、サテライトオフィス機能&コワーキングスペース機能を有するテレワークセンターとして運営されています。そんな幼稚園の面影を残したテレワークセンターの一室に集まった休日クラスの参加者は3名。
全員が東京や埼玉で企業勤めしている20代で、登山やスノースポーツなどのアウトドアな趣味があり、都市部との二拠点生活や地域での暮らしに興味を持っていました。
自然環境豊かなみなかみ町に集まる人たちは、共通点が多いのは必然でした。
私の日々考えているテーマは、「都市部の仕事と山のある暮らし」。これをどのようなバランスで両立させるかをこのプログラムで考え、アクションに繋げたいと思っています。
きっとすぐに答えは見つからないかもしれないけれど、一人でもやもや考えているより、このプログラムで山の近くに行き、人と会話し、手を動かした方が、百倍答えは見つかりやすくなると思うのです。
自分を振り返ることが第一歩。意外と難しい?!人生の棚卸しワークショップ
最初に今回のプロジェクトのファシリテーターを務める鈴木雄一さんから改めてプロジェクトの趣旨や流れ、ゴールを説明いただきます。
「過去から現在までの自分を振り返り、まず自分をしっかりと認識してください。理想の未来の自分は、自分の中にしかありません。」と語ります。
ここでは自分自身が決めたプロジェクトの実施を通して、自己成長、仲間づくり、社会へのアクションを生み出し、自分が本当にしたいことを見つける“マイプロジェクト”を実践します。
みなかみ町で活動することは、自己実現のフィールドの一部であり、地域としては、各プレイヤーの自己実現を通して、地域の活性化につながる相乗効果を期待しています。
また、ここでは大事なルールが3つあります。
1.全員で安心安全の場をつくる
2.仲間のプロジェクトを評価しない
3.自分が主体者となる
参加者は、みなかみ町に可能性を感じ、集まったとはいえ、見知らぬ土地で見知らぬ人たちに囲まれ、不安な面持ちで臨んでいます。参加者がのびのびと活動できる場づくりを、積極的にサポートしていただける運営側の優しい気遣いを感じました。
プログラムの全体像を把握した後、自己紹介に移ります。これから共に過ごす仲間たちが、どんな背景を持ってプロジェクトへの参加を決めたのか共有していきます。
「登山が趣味で山や自然から近い場所に身を置きたい」、「都市部での暮らしを捨てず、都市と地方を行き来する暮らしがしたい」など、みなさん経歴やバックグラウンドは違うものの、参加への想いは近いものがありました。
続いてワークショップを行います。ここでは、「マイプロme編」というシートを用いて人生の棚卸しをします。
「マイプロme編」とは、小さい頃に起こったライフイベントや人生の幸福度を時系列にグラフにするライフグラフ、みんなが知らない自己紹介や特技・スキルを、A4用紙1枚に整理します。
いざ書いてみようとすると思うようにペンが進みません・・・。このような棚卸しは就活や転職など人生のターニングポイントに一度やったきりという方も多いのではないでしょうか。
特に社会人になってからは自分のできることが増え、思考の範囲が広がり、それにつれて選択肢も増えます。
やってみると分かるのですが、思った以上に、自分と自分の周りで起こった出来事や心象の変化などが多いです。ただ、その多くの出来事の中でも、「なぜその選択・行動をしたのか?」をあらためて振り返ると、自分の中の一貫性や特徴を見つけることができました。例えば、バイクで日本のあちこちを旅したり、山遊びも色々なアクティビティを始めたのは、学生の頃から「若く、体力とモチベーションのあるうちに少しでも興味をもったことはやる!」といった一貫した指針があったからです。一方で、「一つのことをずっとやり続けるより、新しいことを2~3年のサイクルで始める方が性に合っているな」など。大人になっても自分のことはわかっているようで、わかってないこともまだまだあるなと気付いたりもしました。また、他人とこのことを共有し、フィードバックをもらうことで、自分を客観的に見つめなおす時間となりました。
五感でみなかみ町を感じる。ウォーターアクティビティで自然資源の魅力を体感!
地元の満留伊屋食堂のお弁当を昼食にいただき、午後の部はカヌー、SUP体験に分かれてのプログラムになります。私は以前から興味があった、SUPに参加しました。
SUP(サップ)とは「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称で、ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいく、ここ数年で人気も急上昇しているウォーターアクティビティです。
なぜ、カヌーやSUP体験をするのかというと、みなかみ町の名前の通り、ここは水の資源がとても豊富で、湖や川のアクティビティを体験することは、みなかみの魅力を知ることにも繋がります。
今回は、SUPツアーを行っている地元のガイド「アイリーオン」の阿部亮介さんにご案内していただきました。
私自身、SUPは初体験でしたが、阿部さんの丁寧で分かりやすい説明で不安は払拭され、最初は緊張しながらのパドリングでしたが、すぐに慣れて景色の美しさばかりに見とれていました。
波の立ってない湖面に紅葉の山々が鏡のように反射され、聞こえる音はどこかで流れている滝の音か鳥のさえずりだけ。まさに自然と一体となった瞬間でした。
みなかみ自慢の温泉で温まったら、地元の方とのディープなトーク!
みなかみの11月は、夕方になると日が出ていても肌寒く、より温泉が気持ちよくなる季節になってきました。
一同は、日帰り温泉施設「真澤の森」に寄って温まってから、テレワークセンターへ戻りました。
夜の懇親会では、地元の老舗りんご農家まるひろ農園の高橋宏之さん(http://www.maruhiro-nouen.com/)や女性移住者猟師本間優実さん、レイクカヌーのガイドをされているレイクウォーク笹渕圭治さんをお招きいただき、鍋を囲み、本間さんが獲った鹿肉などのジビエを味わいながら、みなかみ町についてのお話や体験談などをお伺いしました。
地域に根を張って、どのような生活をしていて、良い面だけでなく、大変なことも赤裸々に語ってくださったお話は、インターネットで簡単に情報を手に入れられる時代だからこそ、リアリティがあり、非常に貴重なお話でした。
個人的に不思議に感じたのは、お越しいただいた地元の方は、みなさん普段の仕事で関わりがあるわけでもなく、みんながずっとみなかみで暮らしていたわけでもないのに、距離感が非常に近い。物理的なものでなく、”こころ”の距離感。
私のような東京で一人暮らししていると、存在するコミュニティはせいぜい勤務先で、仕事のつながりなので、関係が決して悪いわけではないけれども、そこまで踏み込んだ会話もせず、どこかで一線を引いている。
なので、仕事でなく、家族でもなく、趣味やサークルとも違う、距離感の近いコミュニティが不思議に見える。これは、その土地、特に地方特有のものなのかもしれないし、住んでみないと分からないと思う。
同じ土地にいて、同じ天気や景色を見ていると、本能的に自然と”こころ”が近くなるのかもしれない、とそれっぽいことを、鍋をつつきながら思ったのでありました。
次回は、今回のワークショップと体験をもとに、やりたいことを具体化するワークショップや、実行にあたって、地域をめぐり資源を探したり、人と出会って話を聞いたり、地域でのフィールドワークを行います。
【今回訪れた方々】
●アイリーオン 阿部亮介さん 公式HP:https://irieon.com/sup/
●レイクウォーク 笹渕圭治さん 公式HP:http://www.lakewalk.jp/
●まるひろ農園 高橋宏之さん 公式HP:http://www.maruhiro-nouen.com/
●尾瀬鹿工房かたしな/猟師 本間優美さん Facebookページ:https://www.facebook.com/ozeshika/
この記事を書いた人 中村 祐さん 1991年生まれ。埼玉県川口市出身、東京都渋谷区在住。IT系ベンチャー会社員。 アウトドアが好きで、登山で百名山を完登、バックカントリースキーやフライフィッシングなど山遊び全般を趣味としている。よく訪れていた群馬県みなかみ町で、2019年11月からローカルベンチャーチャレンジプログラムに参加。現在は、都市部の仕事と山のある暮らしをテーマに生き方・キャリアプランを模索中。
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