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“赤谷の日”に参加しました!自然に触れ、生物の多様性について学べるみなかみ町のボランティア活動のご紹介


ブログサムネ

みなかみ町に移住を考えている人の中でも、「自然の中で暮らしたい」「自然のために自分ができることをしたい」という声をよく聞きます。せっかく緑の多い地域へ移住するからには、自然に触れたいという想いが強くなるのかもしれません。今回はそんなみなさんにぜひ参加してほしい、みなかみ町の環境保全・自然林復元を目指したボランティア活動“赤谷の日”について紹介します!



赤谷の日の話をする前に、みなさん「赤谷プロジェクト」についてご存知ですか?

赤谷プロジェクトとは、群馬県みなかみ町北部、新潟県との県境に広がる、約1万ヘクタール(10km四方)の国有林「赤谷の森」を、地域住民で組織する「赤谷プロジェクト地域協議会」、日本自然保護協会、林野庁関東森林管理局の3つのセクターが中核団体となって、協働して生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進める取り組みです。(日本自然保護協会HPより抜粋)


利根川の源流からの豊かな水資源があり、様々な動植物が生息する赤谷の森を守りながら、その自然の恩恵を大切にしつつ持続的な地域づくりに取り組んでおります。全国に10か所しかない、自然と人間社会の共生を主な目的とするユネスコエコパークにみなかみ町が選ばれた背景には、この赤谷プロジェクトの取組が評価された影響もあります。みなかみ町の発展に深く関わっているプロジェクトです。


※みなかみ町と赤谷プロジェクトの連携について:🔗赤谷プロジェクトからみなかみBRへの展開



この赤谷プロジェクトの活動の一環として、「赤谷の日」があります。赤谷の日とは、毎月第一土曜日に開催する、赤谷プロジェクトの活動支援日です。簡単に言うと、赤谷プロジェクトの関係者以外の人でも、「サポーター」に登録した人なら誰でも参加できるボランティア活動日です。


赤谷サポーターになる条件は3つ。

1.      赤谷プロジェクトの理念に共感し、プロジェクト推進に協力してくださる方

2.      ボランタリーな立場でプロジェクトの活動に加わってくださる方

3.      サポーターとして、“公益”を担う意識を持って活動することを自覚してくださる方


少し硬く見えるかもしれませんが、赤谷プロジェクトに関わる方の想いを理解し尊重していただけたら大丈夫です住んでいる地域・仕事・年齢関係なく、色んな方が赤谷サポーターに登録しています。特別な知識や経験がなくても、学びながら活動できます。私も動植物の名前を全然覚えていないですし、森の中を散歩しに行くぐらいの感覚で参加していますので、初めての方もご安心ください。


※赤谷プロジェクト、赤谷サポーターの詳細:🔗日本自然保護協会スタッフブログ



赤谷の日の拠点(いきもの村)は、月夜野インターから車で約20分の所にあります。公共交通機関では、関越バス猿ヶ京線の「休石」バス停(ローソン群馬赤谷湖畔店近く)が最寄りです。(※1)ピックアップは、事務局と別途相談、或いはサポーター同士でも柔軟に助け合っています。町内や県外の人合わせて10~30人ほど、朝10時半(※2)にみなかみ町の奥地へ集まっています。赤谷サポーターは、赤谷の日に毎月欠かさず参加する人や、数年ぶりに参加した人もおりますので、自分のペースで気軽に参加できます。


※1 猿ヶ京線運行時刻表:https://kan-etsu.net/publics/index/21/

※2 開始時間を9時に早めることを検討中


 

では、実際どんな活動をされているのか、赤谷の日の体験談をご紹介させていただきます!


2024年7月6日の赤谷の日に参加しました。その日の活動内容は、下記の4種類あり、当日サポーターが参加したい所を選んで4チームに分かれました。


1.      南々谷湿地調査―モリアオガエル卵塊調査、木道整備

2.      ニホンジカの追跡調査

3.      イヌワシ狩場維持のための草刈り

イヌワシ狩場で草刈り

4.      いきもの村環境整備活動(子どもの遊び場)



今回は、イヌワシ狩場維持のための草刈りのチームに参加しました。なぜイヌワシのための活動があるかと言うと、イヌワシは、赤谷の森の生態系の頂点に立つ生き物であり、絶滅危惧の希少な動物だからです。イヌワシがこの森で生息し続けていることが、森の生物の多様性の豊かさの指標となっております。赤谷プロジェクトではイヌワシ(とクマタカ)の繫殖状況調査を続けており、赤谷の日でもイヌワシが狩りのしやすい場所を維持するために、このような活動があります。



※赤谷プロジェクトのイヌワシ・クマタカの取り組みについて:🔗赤谷の森のイヌワシが3年ぶりに繁殖成功!



この日の作業内容は狩場の草刈りと、そこに植樹したミズナラとクリの木のモニタリング・管理です。

イヌワシの狩場まで、集合場所のいきもの村から車で行けるところまで林道を進み、そこから鎌や剪定バサミを持ちながら作業道を歩いて向かいました。7月の上旬だったため、イヌワシの狩場は一目見ただけではどこにあるかわからないほど草木に覆われていました。こんな小さなジャングルのような状態の中、ミズナラとクリを切らないようにするため、手作業で一本ずつ確認しながら刈りました。ちなみに、見づらいですが写真の左側、ハサミのすぐ隣にある細長い葉がクリの木です。



ここにあるミズナラとクリは、3年ほど前に植えたもので、根元に番号が書かれた目印がついていました。植樹したミズナラとクリもまだまだ成長段階で、大きくても大人の腰あたりまで。それよりも他の植物の方が成長し、覆ってしまっているので探すのに一苦労。しかも私はすぐに見分けがつかないので、最初にミズナラとクリの特徴を教えてもらいましたが、結局「これはクリっぽくないけどミズナラ?違うやつ?」と、慣れるまで恐る恐るハサミを入れていました。

作業中、参加者同士声を掛けあい、またベテランの参加者さんからは赤谷の森や動植物について教えてもらいました。作業後半は、この単純作業が癖になり、気づいたら夢中になってやっていました。


草刈り作業前

草刈り作業後

1枚目の写真は作業前で、2枚目がある程度草刈りした後、ほぼ同じ所で撮った写真です。最初は足の踏み場もなかったですが、最後はこんなに変わりました。ちなみに、この日に確認できたのは、ミズナラ14本、クリ16本で、問題なく成長しているそうです!


 

草刈りなど体力が必要な活動がありますが、小さなお子様と一緒に参加できる「いきもの村」での簡単な作業もあります。冒頭で紹介した通り、いきもの村は赤谷の日の拠点・集合場所です。いきもの村での作業の場合、遠くへ移動をすることもなく休憩場所もあるので、体力が心配な方や、小さな子がいるお母さんお父さんも参加しやすいです。


いきもの村近くの林業清掃
清掃作業前
作業後

2024年4月6日の赤谷の日の「いきもの村環境整備活動」では、子どもたちが通る林道の清掃作業と、生き物が観察できるように水路や池作りをしました。



いきもの村から大体1km先の所に、子どもたちが木登りしやすい低い枝を持つ木が多い、自然の遊び場があります。その子どもたちの遊び場までの道を、ほうき等で掃く作業をしました。子どもたちが被害に遭わないよう、ヤマビルが落ち葉の下で冬眠している寒い時期に、道の落ち葉を極力どかしました。



(右2枚の写真を比較して、落ち葉で覆われていた所から道が見えるようになったのがわかりますか?私たちの赤谷サポーターの頑張りが伝われば嬉しいです!)



その後、いきもの村の近くに細く流れている水路があり、子どもたちが水辺の生き物を観察できるように小さな池を作りました。スコップで穴を掘り、池が氾濫しないように周りを石で固めたり、周辺のゴミ拾いや転びそうな所を少し直したりしました。参加した男の子もシャベルを持って一緒に掘ってくれました。最後は水の中の観察に夢中になって、びしょびしょになっていましたが、楽しそうにしている姿を見て大人組も終始笑顔になりました



いきもの村環境整備活動であれば小さい子も一緒にできますが、ご心配な方や他の活動も気になる方は赤谷プロジェクトの担当者に事前にご相談してください。






今回紹介した活動内容はほんの一部です。今までどんな活動があったのかは、下記の関東森林管理局のページからご覧いただけますので、ぜひ覗いてみてください!


 

最後に、赤谷の日はどなたでも気軽に参加できますが、赤谷プロジェクトがどんな想いで活動しているのか、参加する上で守らなくてはいけないことを理解してほしいです。例えば、希少な動植物の写真を気軽にSNSでアップしないでください。赤谷の森には珍しい動植物がいます。それらが存在している場所が多くの方に知られると、悪意ある方が乱獲したり生息環境を悪化させたりしてしまう可能性もあります。実際、他の地域で悲しい事例もたくさんあるそうです。特定の撮影場所が分からないように山の稜線が写らない画角で撮影する、レッドリストに載っているような希少生物は投稿しない、など配慮ができると良いですね。その他は、関係者の方の注意事項を直接聞いていただければと思います。



みなかみ町が自然豊かな場所であるのは、昔から多くの方が自然を守り続けてくれたおかげでもあります。次の世代にこの自然を繋げるためにも、一緒に参加してくれる仲間を募集しております!地域の方とも関われる場でもあるので、みなかみ町の移住の視察がてら、ご参加するのもおすすめです。赤谷の日に参加したい場合、下記の総合事務局へご連絡下さい。まずはお試しでも、早速サポーター登録でも、自分に合った関わり方を試してみていただけたら幸いです。




執筆者:一般社団法人FLAP モトイ

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