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みなかみ町地域おこし協力隊移住コラム#1「地域おこし協力隊で地域に関わる!みなかみ町での事例を紹介。」




現在、日本全国で少子高齢社会となり、都市部への人口集中も重なり、地方の過疎化が急激に進んでいます。この課題は、地方自治体だけでなく国も抱えているものであり、さまざまな形で対策や支援がなされています。その一つとして推進されているのが、「地方移住」です。

これから3回にわたって、地方への移住に繋がるきっかけになることを、みなかみ町の事例などで紹介していきたいと思います。



第1弾は、「地域おこし協力隊」です。


移住を考えたときに真っ先に浮かぶ課題として、その地域で仕事があるのか?ということです。地方へ移住し、地域に関わっていく形は人それぞれで違うと思います。この制度では、地域のなかで地域を活性化するという課題と向き合い、自分自身が実現したいことや地方への移住にチャレンジできるものです。


国が推進する地方創生の事業の一つとして開始された制度、地域おこし協力隊。

都市部への人口集中を緩和し地方の活性化を促す施策で、令和元年度(2019-2020)には全国で5,000人以上が各地域で活動しています。総務省の統計では、任期を満了した隊員の約6割が活動していた地域に定住しています。その一方で、任期終了前もしくは後にその地域を離れる隊員も多く、実際は約半数の隊員が定住を果たせていない印象も受けます。

3年を短いと思うか、長いと思うか、人それぞれだと思います。限りある時間のなかで、移住のハードルのひとつ「お金を稼ぐ」手段を考える時間の猶予があるという点で、最大3年という時間をかけて、気になる土地に移り住むチャンスがあり、活用しない手はないと思っています。この記事を読んで、移住をより真剣に考えるキッカケになれば嬉しいです。




まずは、「地域おこし協力隊」の制度について。



○制度概要:都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱。隊員は、⼀定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援、観光PRなどの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。


○実施主体:地方公共団体 ← ここ重要です。制度自体は国ですが、制度ではあくまで地方自治体に対する国の特別交付税措置として実行され、地方公共団体の力量によって受け入れ態勢に差がでています。


○活動期間:概ね1年以上3年以下


○地方財政措置:

◎地域おこし協力隊取組自治体に対し、概ね次に掲げる経費について、特別交付税措置

① 地域おこし協力隊員の活動に要する経費:隊員1人あたり440万円上限

(報償費等240万円〔※〕、その他の経費(活動旅費、作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要する事務的な経費、定住に向けた研修等の経費など)200万円)

※ 隊員のスキルや地理的条件等を考慮した上で、最大290万円まで支給可能とするよう弾力化することとしている(隊員1人当たり440万円の上限は変更しない。)

② 地域おこし協力隊員等の起業・事業承継に要する経費:最終年次または任期終了翌年の起業する者または事業を引き継ぐ者1人あたり100万円上限

③-1 地域おこし協力隊員の募集等に要する経費:1団体あたり200万円上限

③-2 「おためし地域おこし協力隊」に要する経費:1団体あたり100万円上限


◎都道府県が実施する地域おこし協力隊等を対象とする研修等に要する経費について、普通交付税措置(平成28年度から)


◎都道府県が実施する地域おこし協力隊員OB・OGを活用した現役隊員向けのサポート体制の整備に要する経費について、普通交付税措置(令和2年度から) (地域おこし協力隊について - 総務省」より抜粋 https://www.soumu.go.jp/main_content/000689418.pdf



ざっくりいうと、「青年よ、地方で大志を抱け!」だと思っています笑。


地方(地域)では、都心では想像できない課題が意外とたくさんあります。その課題が見えていれば、その課題を解決する役割として地域おこし協力隊を募る自治体もあれば、そもそもその課題が見えておらず、とりあえず外から人を入れたい!というほぼ丸投げ?な自治体もあります。課題が事前に明示されているかいないかの違いはたしかに大きいですが、どちらにも共通していることは、目の前にある仕事や課題に対して一生懸命に向き合い、楽しむことだと思います。


自身のなかであまりにも「こうしたい!」「こうなりたい!」などの思いが強すぎると、地域の人たちとの関係がうまくいかないこともあると思います。都心での仕事や経験、視点は地方にとって大切で、役に立つ場面もたくさんあると思います。でもそれが地域の人たちにまったく響かないということがほとんどかもしれません…。

また、大きな点として、地域おこし協力隊は税金で生活しているということです。 極端に言えば、「税金で食べている人」として見てくる地域の人もいるので、その大前提を踏まえ社会人として節度を持って心がけて行動することは忘れてはいけない点だと思います。

正直なところ、都心と違い人に対する興味関心が強く、地域の人たちから良いことも悪いことも言われます。でも自分自身が考えて良いと思ったこと、感じたことを辛抱強く続けていれば、必ず誰かが見ていて、思いもよらない形で繋がっていくこともあります。一生懸命に頑張っていれば、困ったことがあると地域の人たちが助けてくれるはずです。任期である3年間で出会った人脈は、任期終了後も大きな支えになるはずです。人とのご縁は大きいです、とくに地方では。良い意味でインターネットに出てこない情報に溢れています(笑)。

移住してなにか仕事をするにしても、自身が思い描く生活のためにいろいろ準備が必要でけっこう時間がかかるものです。生活拠点を移してそこで食べていかなくてはいけない。どんな仕事をしていくかとても大事で一番不安に思うことだと思います。


でも、あまり先々のことばかり考えて追いかけていくと、今をないがしろにしてしまっている気がします。例えば、今は無駄に思っていることも、一生懸命に取り組んでいれば、自然と道が拓けてくるように思います。地域のなかでの自身に対する理解を深めてもらうために、自分の思いをいろんな場面で伝え、何をやっている・やりたいのかを知ってもらう機会を自分で作り、しっかりと発信していくことが大事だと感じています。

地域おこし協力隊の制度も導入から10年以上が経ち、国や自治体での受け皿も整備されて各地で研修を通じた協力隊同士の交流も盛んに進んでいます。自分の好きな地域で、自分のやりたい仕事ができる可能性を持っているこの制度を使わない手はないです。「ずっと住み続ける!」みたいな覚悟を持って移住するよりは、移住のお試し期間のような感じで「水が合わない」と昔の人が言っていたように、ダメだったら違うところに行けばいっか!みたいな緩やかな気持ちで、地域おこし協力隊にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



宇津木信之介(みなかみ町観光協会/地域おこし協力隊)

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